じゅんかん育ち®とは、国土交通省と日本下水道協会・地方公共団体で構成する BISTRO下水道戦略チームが進める、下水道資源を活用して生産された農作物のことです。平成29年4月にBISTRO下水道ブランドネームコンテストが開催され、「じゅんかん育ち」と命名されました。更に2024年9月には特許庁で商標登録されています。
私たち峯農産食品株式会社では、自家製汚泥堆肥を2010年から活用しています。試行錯誤を繰り返し、圃場に適した汚泥と籾殻などの配合や散布量を確立。現在は安定した収量で収穫できるようになりました。食味も「米の粒が太く舌触りが良い」と評判です。汚泥堆肥を使用すると土壌の構造が大きく変化しますが、その有用性を実感しています。下水処理の過程で発生する汚泥には、肥料に欠かせないリンや窒素が含有しています。今まで産業廃棄物として扱っていた汚泥を地域の農業資源として活用できることは、海外からの影響(為替や戦争などの影響)を受けづらく安定した農業生産をしていけることに繋がると感じています。
岩見沢市の農業者が下水汚泥を利用する場合は、「岩見沢地区汚泥利用組合」に加入する必要がありますが、加入金及び肥料代金はかからない仕組みになっています。また、散布する農業機械がない農業者でも利用できるようマニュアスプレッダーを用意したことで、利用のハードルを下げられたと感じています。1994年発足当初の組合会員は数十人でしたが、2023年8月時点では95人と増加し、市内で発生する汚泥およそ3,000tが100%農地に還元されるようになりました。